回文春秋

回文と鑑賞

ひとり旅日記

錆びたな、暗い線路……。

「ん……、セイ!」

楽な旅さ……。

(さびたなくらいせんろんせいらくなたびさ)

【解説】あてもなく旅する男の回文日記である。かつては銀色に輝いていた線路も、今はもう錆びており、陽が落ちてあたりは暗い。線路を遮って倒れている丸太を素手で持ち上げた際のかけ声が「ん……、セイ!」である。ちなみに「セイ!」というかけ声は、キムタクや福山雅治などの発するものであって、普通の人間にはまったく似合わない(嘘だと思うなら実際にやってみてほしい。きっと周囲の人々は笑うであろう)。重労働の後で、あえて「楽な旅さ……。」と決めるのも、カッコいい男のやせ我慢である。

 

ひとり旅は楽し (中公新書)

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