回文春秋

回文と鑑賞

遭難で、立てない。

ふ、ふたりへ。

遭難で……、立てない。

撫でた……、手。

……ん?

……な?

……ウソ!

ヘリだ!

ふふ。

(ふふたりへそうなんてたてないなてたてんなうそへりたふふ)

【解説】遭難者の残した回文日記。「ふたり」というのは妻子のことであろうか。冬山で遭難したため、動くことも立つこともできない。手を撫でて凍傷を防いでいる。ところが、そこにヘリコプターの助けが来たらしい記述が……。死の直前に幻覚を見ていたらしい。よほどの回文好きの遺書ともいえる。

 

ドキュメント雪崩遭難 (ヤマケイ文庫)

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