回文春秋

回文と鑑賞

回文俳句

樏の傷痕 小豆の貴人か

(かんじきのきずあとあずきのきじんか) 【解説】大雪の中、遠方からやってきた謎めいた客人の樏(かんじき)には言い伝えと同じ傷痕があった。もしや、伝説の小豆国からの貴人ではないだろうか? 「樏(かんじき)」は、雪の中に足を踏み込んだり,すべっ…

赤かぶら持って凍てつもラブ嬶

(あかかぶらもつていてつもらぶかかあ) 【解説】凍てつくほどの厳しい寒さの中、赤かぶらの漬物の準備をしている夫婦。一心に働いている嬶(かかあ=妻)の様子に、熱いラブを感じている夫である。「赤かぶら」は赤い蕪で、冬の季語。 飛騨山味屋 赤かぶら…

師走から厄除けよくやらかすワシ

(しわすからやくよけよくやらかすわし) 【解説】よく失敗をやらかすワシは、師走の初めからもう厄除けのお参りに通うつもりじゃよ。師走は冬の季語。 厄除け詩集 (講談社文芸文庫) 作者: 井伏鱒二 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1994/04/05 メディア: …

妻お留守 灯篭売ろうとするお松

(つまおるすとうろううろうとするおまつ) 【解説】本日はこの家の若妻がお留守である。使用人のお松は、ひと目を忍んで灯篭を売却せんと試みる。いったい何を企んでいるのであろうか……?灯篭は秋の季語、とはいうものの回文俳句というより時代物ドラマの次…

「なかった!」子の涙 皆の炬燵かな

(なかつたこのなみだみなのこたつかな) 【解説】合格発表の日、「なかった!」と明るく帰宅したわが子の目には涙が……。気まずい空気だが家族は全員、炬燵から離れられない。北国の厳しい寒さを詠んだ句。季語は炬燵で冬。 こたつ布団セット 180 掛敷布団セ…

木枯らしに飛ばされサバトに白髪粉

(こがらしにとばされさばとにしらがこ) 【解説】木枯らしに吹かれて、白髪を隠すための粉がサバトにまで飛んでいったのでは……?と、空想をたくましくしている様子。 サバト (Sabbath、Sabbat) とはヨーロッパで信じられていた魔女あるいは悪魔崇拝の集会。…

寝つきたき夜は見張るよ北狐

(ねつきたきよるはみはるよきたきつね) 【解説】寝つきが悪く、どうしても眠れない。そんな冬の長い夜は、じっと窓の外を眺めてみる――北狐の生態を見張るかのように。狐は冬の季語。 キタキツネ物語 ALTERNATE SOUND TRACKS+タケカワユキヒデ ホームレコー…

薬喰 変てこ店へ行くリスク

(くすりくいへんてこてんへいくりすく) 【解説】薬と称して冬季に肉を食べることを薬喰(くすりぐい)と言い、冬の季語。変てこな店に行き、何の肉か分からないものを食べるには今でも勇気が必要である。 「薬喰い」と食文化 (シリーズ「食」の文化と文明)…

田島的に鼬地帯に来てました

(たしまてきにいたちちたいにきてました) 【解説】自分のことを「田島」と呼ぶ田島君から連絡があった。どういうルートを通ったかは不明だが「田島的に」移動した結果、鼬(イタチ)が沢山いる地帯に行ってしまったらしい。田島君のちょっとした変人ぶりと…

デイトだな熱燗トンカツあなたといて

(でいとたなあつかんとんかつあなたといで) 【解説】素敵なあなたと二人きりの休日、熱燗でトンカツを食べた。これはもう「デイトだな!」と恋のときめきに酔って浮かれている、女ごころを詠んだ句。季語は熱燗で冬。 菊正宗 美人酒風呂 熱燗風呂 出版社/…

糸瓜持つ 安いアイス 奴も街へ

(へちまもつやすいあいすやつもまちへ) 【解説】「奴」と呼ばれる誰かを尾行している男の視点から詠まれたハードボイルドな句。糸瓜を持ち、安いアイスを食べながら奴もまた街へ向かっている。その先にあるものは……?糸瓜は秋の季語だが、まだ暑さの残る時…

魂祭 思いつい「もお!」律ママだ

(たままつりおもいついもおりつままた) 【解説】魂祭が近づき、亡くなった主人のことを思い出してつい「もお!」と声をあげてしまうお茶目な未亡人・律ママ。そんな律子ママの魅力にメロメロなおいらは「スナック 律子」へ日参している。「魂祭(たままつり…

西鶴忌 爺さま細事 聴く会さ

(さいかくきじいさまさいじきくかいさ) 【解説】西鶴忌とはいうものの、お爺さんが集まってそれぞれが細事を語り、それを聴くだけの集まりになってしまっている……、という嘆き。「西鶴忌」は江戸時代の浄瑠璃・浮世草子作家で俳人の井原西鶴の忌日。秋の季…

弁慶草「夜、血が散るよ」「嘘、いけんべ!」

(べんけいそうよるちがちるようそいけんべ) 【解説】弁慶草を見て「夜、血が散るよ」と殺人予告とも受け取れる言葉を誰かが口にする。すかさず「嘘、いけんべ!」と誰かが怒った。この村には、一体どんな秘密が隠されているのであろうか?弁慶草は秋の季語…

駅にいて振り向けば煙不定に消え

(えきにいてふりむけばけむりふていにきえ) 【解説】駅にいて、何かの気配を感じて振り向く。すると、形の定かでない煙が消えた。「不定に」は形容動詞「不定だ」の連用形。季語なし。 煙滅 (フィクションの楽しみ) 作者: ジョルジュペレック,Georges Pere…

中六はいかんのんかい白露かな

(なかろくはいかんのんかいはくろかな) 【解説】五七五の中間部の七音に不満を感じ「中が六文字はいかんのんかい!」と不満げな俳句初心者の嘆き。絶対にいかんという訳ではないので、六文字にすればよい。白露は草木につく露で、秋の季語。 白露 芋 25度 …

樫の実や変化無限へ闇の鹿

(かしのみやへんげむげんへやみのしか) 【解説】樫の実(どんぐり)はやがて大きく成長し、無限に変化することであろう。闇の中でじっとしている鹿も、かつてはひと粒のどんぐりであったかも知れない……。「樫の実」は秋の季語。 PLAY WOOD フルーツ シェイ…

山菜に酢橘もち出す兄さんさ

(さんさいにすだちもちだすにいさんさ) 【解説】「裏山で採れた山菜ですが、いかが?」と兄さんにおすそ分けすると、お返しに新鮮な酢橘をくれましたよ。酢橘は秋の季語。 柑橘類苗木 すだち(酢橘) メディア: この商品を含むブログを見る

伊勢かつらが似合う兄が落花生

(いせかつらがにあうあにがらつかせい) 【解説】伊勢市は知る人ぞ知る、かつらマニアの集うカツラーの聖地である。そんな伊勢のかつらが兄にはよく似合う。喜んだ兄はおみやげに落花生を買ってきてくれた。落花生は秋の季語。 nttbj.itp.ne.jp

怪しきは……? この木に茸は……?「キシャア!」

(あやしきはこのきにきのこはきしやあ) 【解説】どうやらこの木が怪しい……?と、恐る恐る茸を見ると「キシャア!」と叫び、牙をむいて襲い掛かってきた!茸は秋の季語。 マイコフィリア-きのこ愛好症 -知られざるキノコの不思議世界- 作者: Eugenia Bone(…

中沁みも冷たさ溜めつ紅葉かな

(なかじみもつめたさためつもみじかな) 【解説】紅葉狩りをしていると、オシッコを少し漏らしてしまった。下着の沁みに、晩秋の冷気が溜まるように冷え冷えとしてくる……(私の心も)。紅葉は秋の季語。 紅葉絶景 首都圏版 (ぴあMOOK) 出版社/メーカー: ぴ…

新蕎麦やりながらかなりヤバ「孫子」

(しんそばやりなからかなりやばそんし) 【解説】新そばで一杯やりながら「孫子」を読んでいると、かなりヤバめの内容であった。句またがりでアクロバティックだが五七五になっている。「新蕎麦」は秋の季語。 孫子 (講談社学術文庫) 作者: 浅野裕一 出版社…

よく獲れた秋刀魚自慢さタレ溶くよ

(よくとれたさんまじまんさたれとくよ) 【解説】豊漁で秋刀魚がよく獲れた。さあ、秘伝のタレを溶いて、秋刀魚の蒲焼きを食べよう。秋刀魚は秋の季語。 ちょうした さんま蒲焼 EO 100g×10個 出版社/メーカー: 田原缶詰 メディア: その他 この商品を含むブ…

松茸や腰痛通よ焼けた妻

(まつたけやようつうつうよやけたつま) 【解説】松茸狩りをしていると、腰が痛くなってくる。腰痛に詳しい「腰痛通」の頼もしい妻は日に焼けるほど松茸に夢中である。「松茸」は秋の季語。 高級旅館御用達 松茸 ボリューム満点 秋の味覚 天然松茸 特大開き…

遅滞なく何もかもに泣くな鼬

(ちたいなくなにもかもになくないたち) 【解説】感じやすく、何かを見るや否やすぐに泣く。そのような泣き虫の子供を鼬呼ばわりして嗜めている句。「鼬」は冬の季語。 働きたくないイタチと言葉がわかるロボット 人工知能から考える「人と言葉」 作者: 川…

貝割菜 むかし確かむ 生業か

(かいわりなむかしたしかむなりわいか) 【解説】以前にもあの人の生業を確かめたことがあったなあ。貝割菜は秋の季語で「芽が出たばかりの、貝割り形をした二葉を食べる野菜。摘まみ菜など。かいわり。かいわれ。(大辞林)」 スプラウト 種 【 大根 かい…

紫蘇の実や サンバの晩さ 闇の阻止

(しそのみやさんばのばんさやみのそし) 【解説】闇討ちを阻止したのは、サンバカーニバルの夜のことだったぜ……。「紫蘇の実」は秋の季語で、香りがよく刺身のつまや漬け物にも使う。 闇の狩人〈上〉 (新潮文庫) 作者: 池波正太郎 出版社/メーカー: 新潮社 …

秋の朝 ゆでめん愛でゆ さあノキア

(あきのあさゆでめんめでゆさあのきあ) 【解説】肌寒い秋の朝。ゆでめんが大好きな私は食べ終えると気分一新、さあ、ノキアの携帯で通話をしよう。 Nokia 105 (2015) 改良版 SIMフリー 格安海外携帯電話 並行輸入品 (Cyan Blue シアンブルー) 出版社/メー…