創作回文春秋

創作回文と鑑賞のブログ

夜の底に待つわが小川 妻にこそ乗るよ

(よるのそこにまつわがおがわつまにこそのるよ)

【解説】小川が妻に乗るのか、それとも妻を小川に喩えているのか。

 

 

「細工とは……」象牙拾いの色ヒゲ、嘘は得意さ

(さいくとはそうげひろいのいろひげうそはとくいさ)

【大意】象牙を拾っては象牙細工にして売る「色ヒゲ」という怪しい人物。いつもヒゲを染めており、嘘が得意である。今日もまた平然と「細工とは……」と嘘の持論を語っている。

 

ジェイン・オースティン―象牙の細工

ジェイン・オースティン―象牙の細工

 

 

明太子の濃いタンメンシリーズ

完全明太子の濃いタンメンせんか!

(かんせんめんたいこのこいたんめんせんか)

【解説】「この店のタンメンは、今ひとつだな……」評論家に挑発されて、初代店主の怒りが爆発した!二代目にあの「完全明太子の濃いタンメン」を作るよう命じたのだ!

 

 

伊勢丹明太子の濃いタンメン出せい!

(いせたんめんたいこのこいたんめんたせい)

【解説】威張った客が所望するのは「伊勢丹明太子の濃いタンメン」である。

 

 

いなせな明太子の濃いタンメン、何故ない?

(いなせなんめんたいこのこいたんめんなせない)

【解説】せっかく遠くから食べに来たのに……。

 

 

 ダリ「イソジン明太子の濃いタンメン(しそ入り)だ!」

(だりいそしんめんたいこのこいたんめんしそいりだ)

 【解説】ダリの注文は芸術的すぎて、よく分からない。

 

 

うまえもん明太子の濃いタンメン、燃え、舞う!

うまえもんめんたいこのこいたんめんもえまう)

【解説】うまい棒めんたい味を駆使したアレだー!調理の仕上げには炎が燃え上がり、丼は宙に舞う!

 

 

遭難で、立てない。

ふ、ふたりへ。

遭難で、立てない。

撫でた、手。

……ん?

……な?

……うそ!

ヘリだ!

ふふ。

(ふふたりへそうなんてたてないなてたてんなうそへりたふふ)

【解説】遭難者の残した回文日記。「ふたり」というのは妻子のことであろうか。冬山で遭難したため、動くことも立つこともできない。手を撫でて凍傷を防いでいる。ところが、そこにヘリコプターの助けが来たらしい記述が……。死の直前に幻覚を見ていたらしい。よほどの回文好きの遺書ともいえる。

 

ドキュメント雪崩遭難 (ヤマケイ文庫)

ドキュメント雪崩遭難 (ヤマケイ文庫)

 

 

魂ないし……。

血にイライラ。

釣り、落とす。

魂ないし……。

また素通り。

辛い来日。

(ちにいらいらつりおとすたましいないしまたすとおりつらいらいにち)

【解説】来日した吸血鬼が残した回文日記である。血を見るとイライラするし、お釣りを手で受けようとすれば落としてしまう。何らかの理由で魂を失い、幽霊になっているためである。誰かと会っても素通りするだけの、辛い日々となった。

 

ヴァンパイア 吸血鬼伝説の系譜 (新紀元文庫)

ヴァンパイア 吸血鬼伝説の系譜 (新紀元文庫)